難病が教えてくれたこと
第6話
【古川海澪side】
…自分なりのケジメかあ…
今までそんなの考えたこと無かったなあ…
いつも蒼空の笑顔や顔が見れるだけで嬉しかったから…
「…はあ…緊張する…」
李那と別れてから。
私は蒼空にLINEして蒼空の家の近くの公園に来てもらうことにした。
約束の時間まであとすこし…
「あれ、海澪、もう来てたのか?」
「…あ、うん。
…ごめんね、急に呼び出したりして。」
私はこんな遅くに呼び出したことについて謝罪した。だって8時だよ?
ご飯もしくはお風呂の時間でしょ?
「いや、大丈夫。
何かあったか?」
こんな時でも蒼空は優しい。
伝えるのを躊躇ってしまう。
「あのね…」
もし伝えて、ギグシャクしたりするのだけは避けたい。
だから泣いちゃダメ。
「あの…」
笑顔で。
李那みたいに明るい笑顔…

「私ね。蒼空の事好きなんだ。」

…やっと言えた。
終わった、私の恋。
「…えっ…」
蒼空を見ると困った顔でオロオロしてる。
「でもさ、これからも仲良くしてほしいから、忘れよ?
…告白したっていう事実だけ覚えといて」
「…知ってるかもしれないけど、俺李那のことが好きなんだ、ごめん、海澪。」
…うん、知ってたよ。
ずっと、李那のこと見てたもんね。
「分かってるよ、蒼空。」
「え?」
「李那のことが好きってこと。」
蒼空の事、大好きだった。
同じくらい蒼空も李那のことが好きなんだ。
「大体バレバレなのよ。
李那が大好きです〜っていうオーラ出すぎなのよ。」
これでいい。
私の初恋はこれで終わったの。
「まじか?!」
ほら。
これで私たちは元通り。
「…海澪」
「なに?」
「好きって言ってくれてありがとう。」
…泣かせようとするんじゃないよ。
泣かないって決めてたんだから、泣いちゃダメ。
それでも泣かせようとしてくる蒼空はなんなわけ?
ただでさえ涙腺緩いのに…
「…好きになったのは本当だから、忘れないで欲しい。」
「ずっと、覚えてるよ。
何年経っても仲良くいたいから。」
…やっぱりなんかズレてるんだよな、蒼空って。
そこが蒼空のいい所なんだけどさ。
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