難病が教えてくれたこと
2人にも心配かけすぎちゃってるのか…
よく階段とかでダッシュすると海澪が不安そうな顔で私を見てることがある。
あえて私はその顔をスルーして蒼空とよく階段ダッシュを競ってる。
よく分からないけど、楽しいんだ。
蒼空をからかって遊ぶのも。
海澪と他愛ない話をするのも。
裕くんと帰ったりするのも。
今のうちに楽しんでおかないとね…
いつ動かなくなるか分からないから…
蒼空も言わないだけでちゃんと私を気遣ってくれてる。
私は鈍感なフリしてやり過ごす。
蒼空にも海澪にも本当の私は見せるつもりは無い。
私が元ヤンだった事や、これからのこと。
今楽しめたらそれでいいから…
「李那ー!おはよう!」
「あ、海澪!おはよう!」
「お、走ってたの?」
「うん!」
私は制服を持ってトイレに着替えに行く。
裕くんは私の荷物を持ってきてくれて海澪に渡す。
学校ではお互い違うところにいるから。
私は蒼空や海澪と静かに…でもないけどのほほんと過ごしてる。
裕くんはスポーツ大好き軍団の中にいる。
裕くんは優しいからみんなの話に相槌打ったりたまに自分から話したりしている。
「李那、今日、帰り遊ばない?」
「いいね!どこ行く?」
「蒼空誘ってスイパラでも行くか…」
「いいねそれ」
私は着替え終わって海澪と教室まで歩く。
ーガクッ…
「わっ…」
「李那、大丈夫?」
「あはは、何やってんだろ自分…」
周りにはドジっ子認識してもらってるから。こういう時のために。
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