難病が教えてくれたこと
薄く目を開いてはいるけど、心ここに在らずって感じだ。
裕くんは必死に声をかけ続ける。
「李那!」
「…はぁ…うぅっ…
……ろ…くん…」
小さく李那が反応する。
「李那、大丈夫か?!」
「…うぅっ…うっ…」
李那の顔はうっすら笑顔が浮かんでいる。
それでも既に李那の顔は青く手もだんだん力がなくなっていっているのがわかる。
「如月さん!」
保健の先生は李那を見るなりすぐに救急車を呼んだ。
どうやら先生じゃ対処出来ないようだ。
「とりあえず保健室に運ぶわ。誰か…」
先生が言い終わる前に裕くんが李那を抱えた。
「俺が運びます。担架なんて持ってこなくていい。」
…裕くんの顔もだいぶ青ざめていて、体も震えている。
「じゃあ、行きましょう!」
私は李那の乗っていた車椅子を持って後ろを着いていく。
…李那…
【古川海澪side END】
【中矢裕side】
…まさか、こんなに早く呼吸困難になるなんて…
しばらくは平気だろうって自分も病院の先生も言っていたのに…
多分李那は空気を吸えてない。
だから吐くことしか出来ないから今、この状態なんだと解釈している。
「…ふぅ…うっ…」
李那の声はだんだん細くなっていく。
俺は力のない李那の手を握りながら李那を見つめていた。
「お待たせしました!患者さんは…」
「あ、ここです!」
「…とりあえず呼吸器持ってこい!」
「はい!」
李那の顔は既に白く、呼吸も浅い。
運ぶより先に酸素を入れるのを優先している隊員に俺は安心した。
素早く李那に呼吸器を取り付けると隊員は李那の胸に耳を当てた。
難しい顔をして保健医に尋ねる。
「この子、内臓器官に持病ありますか?」
「…ありません。」
保健医が答えるより早く俺は答えることが出来た。
小さい頃から一緒にいる幼なじみだ。
お互いのことはよく分かっている。
「分かりました。心臓マッサージを開始します。」
李那は隊員の手によって心臓マッサージされている。
…李那…
「…よし、このまま運ぶぞ!」
「はい!」
救急隊員は李那を運んでいく。
俺はその様子を不安げに見送った。
「…中矢くんも、教室に戻りなさい。」
「……は…い…」
俺は李那を心配に感じながら自分の教室まで戻った。
【中矢裕side END】
【如月李那side】
…苦しい…
息が吸えない。
「李那!」
ああ、お母さんの声だ。
でもごめんね、お母さん、今、私反応することが出来ない。
手も足も顔も動かないの。
…心配ばかりかけてる。
ごめん、お母さん…
裕くんは必死に声をかけ続ける。
「李那!」
「…はぁ…うぅっ…
……ろ…くん…」
小さく李那が反応する。
「李那、大丈夫か?!」
「…うぅっ…うっ…」
李那の顔はうっすら笑顔が浮かんでいる。
それでも既に李那の顔は青く手もだんだん力がなくなっていっているのがわかる。
「如月さん!」
保健の先生は李那を見るなりすぐに救急車を呼んだ。
どうやら先生じゃ対処出来ないようだ。
「とりあえず保健室に運ぶわ。誰か…」
先生が言い終わる前に裕くんが李那を抱えた。
「俺が運びます。担架なんて持ってこなくていい。」
…裕くんの顔もだいぶ青ざめていて、体も震えている。
「じゃあ、行きましょう!」
私は李那の乗っていた車椅子を持って後ろを着いていく。
…李那…
【古川海澪side END】
【中矢裕side】
…まさか、こんなに早く呼吸困難になるなんて…
しばらくは平気だろうって自分も病院の先生も言っていたのに…
多分李那は空気を吸えてない。
だから吐くことしか出来ないから今、この状態なんだと解釈している。
「…ふぅ…うっ…」
李那の声はだんだん細くなっていく。
俺は力のない李那の手を握りながら李那を見つめていた。
「お待たせしました!患者さんは…」
「あ、ここです!」
「…とりあえず呼吸器持ってこい!」
「はい!」
李那の顔は既に白く、呼吸も浅い。
運ぶより先に酸素を入れるのを優先している隊員に俺は安心した。
素早く李那に呼吸器を取り付けると隊員は李那の胸に耳を当てた。
難しい顔をして保健医に尋ねる。
「この子、内臓器官に持病ありますか?」
「…ありません。」
保健医が答えるより早く俺は答えることが出来た。
小さい頃から一緒にいる幼なじみだ。
お互いのことはよく分かっている。
「分かりました。心臓マッサージを開始します。」
李那は隊員の手によって心臓マッサージされている。
…李那…
「…よし、このまま運ぶぞ!」
「はい!」
救急隊員は李那を運んでいく。
俺はその様子を不安げに見送った。
「…中矢くんも、教室に戻りなさい。」
「……は…い…」
俺は李那を心配に感じながら自分の教室まで戻った。
【中矢裕side END】
【如月李那side】
…苦しい…
息が吸えない。
「李那!」
ああ、お母さんの声だ。
でもごめんね、お母さん、今、私反応することが出来ない。
手も足も顔も動かないの。
…心配ばかりかけてる。
ごめん、お母さん…