難病が教えてくれたこと
ずっと李那に言いたかったこと。
今なら、迷いなくいえる。
だって、こんなに大好きで大切なんだから。李那が。
「あのな?」
「うん。」
「驚かずに聞けよ?」
「うん。」
「…俺さ…」
…焦れったいな、俺…
さっさと言っちまえばいいのに、あほだなあ、俺。
「李那と将来考えてるから。
ちゃんと、2人の将来について。」
「えっ…?」
李那は心底驚いたような顔をしてまっかっかになってしまった。
「それって…え…?」
李那が混乱してる。
顔の周りにハテナが沢山見える。
多分マンガで言うあれだ、目がぐるぐるなってるやつ。
「うん、そう。」
俺は李那の手を握る。
「俺と、結婚してください。」
…なんでこのタイミングって。
俺でも思うよ、俺、アホだから。
アホはアホなりにちゃんと考えてるんです。
「裕…くん…」
「ん?」
「私、ALSなんだよ?」
「うん。」
「めちゃくちゃ、迷惑かけちゃうよ?」
「うん。」
迷惑なんて思わない。
こんなに大事な存在なんだから。
病気のこと気に病んでるなら気にしなくていい。
「介護も必要になるし、金銭面だって…」
「うん。どんどん迷惑かけていい。
それだけ俺がお前に惚れてるってことだから。」
…我ながら恥ずかしい。
よくこんな恥ずかしいセリフを言ったと自分で驚いている。
「も、ストップ。頭の整理つかなくなってくる…」
李那の場合頭じゃなくて全てだろ。
俺だってそれくらいわかるよ。
「李那、もう一度言うな?」
「…ん…」
「俺、お前と結婚したいって思ってるからな?それだけは覚えとけよ?」
大切な存在。
最期のその時まで一緒にいたいと思ってるんだよ。俺。
それくらい、李那のことが大切だから。
【中矢裕side END】
【如月李那side】
…嬉しい、っていう気持ちより、これは夢なのではないかという気持ちの方が大きいかもしれない。
目の前には私の大好きな人がいる。
それも真剣な顔をして。
頬をつねってみる。
痛い。
てことは夢じゃない。
私、いま…裕くんに、プロポーズされたんだ…
「私もね、裕くん。
裕くんと結婚したいと思ってるよ…」
「ほんと?」
「ん。だって大好きだもん。」
それくらい大切な存在になっていたんだ。
最初は幼なじみとしか見れてなかったのに。
いつの間にかこんなに大きな存在になってしまってたんだね、裕くん。
「最初から俺は李那の事好きだったよ。」
「へ?」
「初めてあったのいつですかね?」
「えっと…3歳くらい?」
「そう。その時から可愛いなと思ってた。」
…恥ずかしい。
だってその頃の私って…
裕くんのことなんとも思ってなかったし、むしろ誰レベルだった気がする…
「裕くんの第一印象って確か…」
「坊主のハナタレ。」
「それ。」
裕くんは私を見て爆笑する。
「酷いもんだよなあ。
一目惚れした相手にそんな認識しか持たれてなかったんだから!」
ケラケラ笑う裕くんに私も釣られてくすくす笑ってしまう。
「だけどね、いつの間にか好きになっていってたから、裕くんの告白にOK出したんだよ?」
…好きでもない人と付き合ったりしないもん。
どうせ付き合うなら好きになった人がいい。
「裕くんが言ったんだよ?
“絶対俺のこと好きにさせてみせる”ってね。」
「ちゃんと約束は果たせたろ?」
「…うん!」
「俺は、約束は守る男だ。」
知ってるもん。
裕くんが本当は誰より優しい人だとか。
誰よりかっこいいだとか。
1番近くにいたんだから1番知ってるもん。
「あのね、裕くん。」
「なんだ?」
こうなったら私が最近悩んでることも裕くんに言っちゃえ。
…本当は聞きたくないだろうけどね。
「私全然生理来ない。」
「…はい?」
てへっ。
言われても困ることを言ってみました。
「…えー…コホン、いつから?」
「裕くんとヤッた時くらいから。」
裕くんがあわあわし始める。
「え?それやばくない?」
「やばいかな?かれこれ5ヶ月くらい来てないんだけど。」
「それかなりやばいから。産婦人科行ってこい。」
裕くんが真剣な顔で私に言い聞かせる。
「早めに産婦人科行け。」
「…んー…」
「い、け、よ?」
…やだあ、裕くんこわーい。
「それより裕くん、部活どうなってるの?」
「部活?あ、今度大会あるんだよ。来てくれよな。」
…あれ?こんな季節に大会?
「長距離の、県大会。」
「ああ、空手とかでよくあるアレか。」
「そうそう、空手の県大会チャンピオンさん。」
「やめてよ…」
そう、私は空手県大会チャンピオンだ。
多分今は少し鈍ってると思うけど、出来ると思う。
黒帯の実力舐めてもらっては困るもんね!
「見に来てよ?」
「そうだね。体育祭の時も応援、出来なかったもんね、私。」
…あの体育祭のとき、応援するって言っといて救急車で運ばれたから裕くんの応援出来てないんだ。
「今度、勝てたらご褒美頂戴な。」
…はい?ご褒美?
今なら、迷いなくいえる。
だって、こんなに大好きで大切なんだから。李那が。
「あのな?」
「うん。」
「驚かずに聞けよ?」
「うん。」
「…俺さ…」
…焦れったいな、俺…
さっさと言っちまえばいいのに、あほだなあ、俺。
「李那と将来考えてるから。
ちゃんと、2人の将来について。」
「えっ…?」
李那は心底驚いたような顔をしてまっかっかになってしまった。
「それって…え…?」
李那が混乱してる。
顔の周りにハテナが沢山見える。
多分マンガで言うあれだ、目がぐるぐるなってるやつ。
「うん、そう。」
俺は李那の手を握る。
「俺と、結婚してください。」
…なんでこのタイミングって。
俺でも思うよ、俺、アホだから。
アホはアホなりにちゃんと考えてるんです。
「裕…くん…」
「ん?」
「私、ALSなんだよ?」
「うん。」
「めちゃくちゃ、迷惑かけちゃうよ?」
「うん。」
迷惑なんて思わない。
こんなに大事な存在なんだから。
病気のこと気に病んでるなら気にしなくていい。
「介護も必要になるし、金銭面だって…」
「うん。どんどん迷惑かけていい。
それだけ俺がお前に惚れてるってことだから。」
…我ながら恥ずかしい。
よくこんな恥ずかしいセリフを言ったと自分で驚いている。
「も、ストップ。頭の整理つかなくなってくる…」
李那の場合頭じゃなくて全てだろ。
俺だってそれくらいわかるよ。
「李那、もう一度言うな?」
「…ん…」
「俺、お前と結婚したいって思ってるからな?それだけは覚えとけよ?」
大切な存在。
最期のその時まで一緒にいたいと思ってるんだよ。俺。
それくらい、李那のことが大切だから。
【中矢裕side END】
【如月李那side】
…嬉しい、っていう気持ちより、これは夢なのではないかという気持ちの方が大きいかもしれない。
目の前には私の大好きな人がいる。
それも真剣な顔をして。
頬をつねってみる。
痛い。
てことは夢じゃない。
私、いま…裕くんに、プロポーズされたんだ…
「私もね、裕くん。
裕くんと結婚したいと思ってるよ…」
「ほんと?」
「ん。だって大好きだもん。」
それくらい大切な存在になっていたんだ。
最初は幼なじみとしか見れてなかったのに。
いつの間にかこんなに大きな存在になってしまってたんだね、裕くん。
「最初から俺は李那の事好きだったよ。」
「へ?」
「初めてあったのいつですかね?」
「えっと…3歳くらい?」
「そう。その時から可愛いなと思ってた。」
…恥ずかしい。
だってその頃の私って…
裕くんのことなんとも思ってなかったし、むしろ誰レベルだった気がする…
「裕くんの第一印象って確か…」
「坊主のハナタレ。」
「それ。」
裕くんは私を見て爆笑する。
「酷いもんだよなあ。
一目惚れした相手にそんな認識しか持たれてなかったんだから!」
ケラケラ笑う裕くんに私も釣られてくすくす笑ってしまう。
「だけどね、いつの間にか好きになっていってたから、裕くんの告白にOK出したんだよ?」
…好きでもない人と付き合ったりしないもん。
どうせ付き合うなら好きになった人がいい。
「裕くんが言ったんだよ?
“絶対俺のこと好きにさせてみせる”ってね。」
「ちゃんと約束は果たせたろ?」
「…うん!」
「俺は、約束は守る男だ。」
知ってるもん。
裕くんが本当は誰より優しい人だとか。
誰よりかっこいいだとか。
1番近くにいたんだから1番知ってるもん。
「あのね、裕くん。」
「なんだ?」
こうなったら私が最近悩んでることも裕くんに言っちゃえ。
…本当は聞きたくないだろうけどね。
「私全然生理来ない。」
「…はい?」
てへっ。
言われても困ることを言ってみました。
「…えー…コホン、いつから?」
「裕くんとヤッた時くらいから。」
裕くんがあわあわし始める。
「え?それやばくない?」
「やばいかな?かれこれ5ヶ月くらい来てないんだけど。」
「それかなりやばいから。産婦人科行ってこい。」
裕くんが真剣な顔で私に言い聞かせる。
「早めに産婦人科行け。」
「…んー…」
「い、け、よ?」
…やだあ、裕くんこわーい。
「それより裕くん、部活どうなってるの?」
「部活?あ、今度大会あるんだよ。来てくれよな。」
…あれ?こんな季節に大会?
「長距離の、県大会。」
「ああ、空手とかでよくあるアレか。」
「そうそう、空手の県大会チャンピオンさん。」
「やめてよ…」
そう、私は空手県大会チャンピオンだ。
多分今は少し鈍ってると思うけど、出来ると思う。
黒帯の実力舐めてもらっては困るもんね!
「見に来てよ?」
「そうだね。体育祭の時も応援、出来なかったもんね、私。」
…あの体育祭のとき、応援するって言っといて救急車で運ばれたから裕くんの応援出来てないんだ。
「今度、勝てたらご褒美頂戴な。」
…はい?ご褒美?