Estoi enamorado de ti ~あなたに恋をしています~
STEP1 まずは目を見て挨拶を
初恋で、恋のアプローチの仕方など分からぬまま。
見つめ続けて一年が経った時。
私はようやく思い至った。
このままでは後ろに行くことにはなっても、全くこの恋が前には進まないことに!
だから、私は同じコミュニケーション専攻の小日向佳栄に相談した。
佳栄は唯一、私がこんなにハッキリしているくせに恋に奥手と知る友人だ。
「ねぇ、佳栄。私このままだと一向に前に進まないことに気が付いたの」
「あら、やっと気付いたのね。奥手なりにやっと前進する気になった?」
面白いと言いたげに顔をニヤニヤとさせて言う、佳栄に私は思わず苦笑しつつ返事を返した。
「このままだと積極的な先輩後輩と万が一にも付き合いだしたら何もしないうちに玉砕でしょ?つまり後退じゃない。なら、玉砕覚悟でも自ら行動するほうがいいと思ったの」
そう告げた私に、ブンブン首を縦に振って佳栄は同意を示しつつアドバイスをくれた。
「まずは、笑顔で挨拶!あわよくば、そのまま一緒にランチへ持ち込め!そして会話を弾ませろ!」
この、恋多き女の佳栄は恋愛低偏差値の初心者な私に、高難度を最初から提示してきた。