異世界に召喚されましたが、僕は勇者ではありません。
栄司「うん」
『なんで!?』
栄司「だって、困ってる人を目の前にして見て見ぬふりなんて出来ないし」
『だからって』
栄司「もう決めたから」
あ~ぁ。これは、無理だね。けど、
『僕は行かないからね!』
栄司「うん。分かってる」
ノエビア「なっ!?貴様この世界を見捨てるというのか!?」
『見捨てるも何も。僕等は、勝手に連れてこられたんだから元々協力する筋合いは、無いの!栄司は、昔からお人好しだからこう言うことに首突っ込んじゃうけど。僕は何の力も持たない一般人なの!』
息継ぎしてないんじゃないか?って、思うほど早口で言った。言ってやった。
ノエビア「だが…!」
国王「ノエビア止めなさい」
国王の言葉であいつは、静かになった。
国王「急に呼び出したのはこちらだ。そして、彼の言うことも、最もだ。急に知らないところに来て、自分と無縁の世界を救って欲しいなど言われたら断る者もいるだろう」
国王はそうあいつに、言い聞かせた。そして、こちらを向いて…
国王「すまないね。ノエビアも、必死なんだ」
『いえ、その人の言っていることも分かりますので。ただ、僕は危険なことに首を突っ込みたくないので』
国王「そうだな。では、そこの女性はどうする?」
美月「わ、私は栄司君と一緒に行きます!」
国王「良いのか」
美月「黎明君といられなくなるわけでもないし、栄司君の助けになりたいんです」
国王「そうか、ありがとう」
そういえば…
『僕は、あちらに帰れるんでしょうか?』
すると、国王が気まずそうに
国王「すまない」
と、言った。
『まさか、』
嘘でしょ。
国王「君等を、返す方法は無いんだ」
『っ!?ふざけるな!』
栄司「黎明、落ちついて!」
美月「黎明君だめだよ!」
栄司や、美月に止められてなんとかてを出さずにすんだ。一応といっても国王だからな。手を出すとまずいことになりかねん。
国王「すまない。その代わり城に君たちの部屋を用意したから、ここにすむといい。困ったことがあれば言ってくれ」
国王に、そう言われた。