重なった社会～Ivy with little spider～

愛用のVRコンソールに座ってパソコンを起動する。

プログラムが展開され、彼女は緑茂る原生林を模した自分のVRスペースへアクセスした。


VRスペースはとは、仮想の部屋を形成するプログラム。
パソコンで可能な作業は自らのアバター…仮想空間の自分……を通しておおよそ此処で出来る。
インターネットにつないでおけば、他のアバターを呼んで会話や共同作業も可能だ。

仮想空間を形成する技術が進んだこの時代では、自分のパソコンの中には必ず自分のVRスペースを確保していた。

無料でレンタル出来る小説投稿サイトやホームページを借りる感覚で、オンライン上(正しくは、貸出先が持つ大きなサーバーパソコン内に)に別のVRスペースを作ることも可能だ。