重なった社会~Ivy with little spider~
また、神経に直結しているIPCには、IPC自体が異常電気信号を感知及び連動をストップさせる機能を持っている。
いわゆる、ヒューズ管と同じような機能だ。

なので、どんなにアバター自体を痛めつけても四肢を引き千切っても、度を越した痛みは相手に与えられない。
だが、相手が死に至ることはないため、気兼ねなく暴力を振るえる。

さらに、気に入らない相手を死ぬほど傷めつければ、仮想空間内から一時的にではあるが追い出すこともできる。

おまけに、仮想空間内での暴力行為は現実世界のソレよりも罪が軽く、書類送検までしか例がない。

暴れるにはもってこいの場所……だったのだ。


だがしかし…その認識は脆くも打ち崩された。
理由は、朝刊の地域ニュース欄に大きく記載されていた。


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