重なった社会~Ivy with little spider~
四肢の関節を異形の足に貫かれ、醜い悲鳴を上げる男。
後ろの女は、恐怖を顔に張り付かせ、ヘナヘナと腰を抜かした。

異形の足の主である「女郎蜘蛛」は、男を突き刺した足をゴミを払うかの様な仕草でブルンッと振い、女の脇に男を打ち捨てた。

後は、知っての通りである。


あの「女郎蜘蛛」は、オキが雇ったハッカーだった。
アンダーグラウンドの求人スペースで見つけて来たという。


均整のとれた長身と、大きすぎず小さすぎないバスト。
絹のような黒色のストレートヘア。

醜悪な6つ目の仮面と4本の蜘蛛の足を除けば…何処かの、スーパーモデルのようであった。

初顔合わせをした時に、思わず河内は手を出しそうになったが、オキから「女郎蜘蛛」はネカマで容姿はスキン……つまり、偽りの外見……であると聞き、一気に萎えたのを覚えている。
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