美男と美女がうまくいくとは限らない。



あたしたち同期4人は入社依頼いつも仲良しで、何回も辞めたいと思った時に支え合って今も一緒に働けている


正直、みんながいてくれなきゃ今あたしはここにいなかったと思う


同期の存在
あたしにとってはとても大きな存在



「お、美男美女、朝から絵になるねえ」

「部長!おはようございます」



集まるあたしたちの元へと来た部長
部長は本当に面倒見のいい良き上司で、苦労も多い営業職の大先輩


何か悩んでいるな、という社員を見つけては優しく声をかけてご飯へ連れて行ってくれたり…あたしも何度も助けられた



「ほんとに君たちは仲がいいね。いいこといいこと。もしかしてダブルカップルだったりして?」



あたしたち4人は顔を見合す
そしてみんな同時にプッと吹き出す



「どういう組み合わせっすか。俺、未央ちゃんならいいけど、咲妃乃は勘弁っすよ」

「おい春樹!咲妃乃が可哀想だろー!」

「あたしは未央とならいいけどー」

「えっ、咲妃乃、わたしでいいの?」



朝から同期たちとこうやって他愛のない会話を交わして気分が安らぐ
こうした時間があたしは大好き



「ほんと楽しそうだねえ。ほら、仕事が始まるぞ」



部長はあたしたちよりも先にオフィスへと入って行く


今日も一日、仕事が始まる
でもなんだか今日は同期から元気もらったし、頑張れそう!



「ま、下半期もあるし。みんな俺から天下をぶんどれるようにせいぜい頑張れよ」



あたしの頭を指で軽くコツンと当てて仕事へと向かう春樹



「…やってやるわよ、バカ春樹」



そういうの、ズルいの
背が高いからって、あたしを見下ろして…
少し笑顔であたしに意地悪するの…ズルいよ



「ねえ咲妃乃、やっぱり春樹カッコいいね」

「あんな奴のどこが…」

「咲妃乃は素直じゃないなあ、もう」



未央は少し微笑んでオフィスへと消えていった
素直な未央はああやって言えるから可愛い
あたしには到底できそうにない



「春樹ばっかズリいよなあ、俺も背が高ければなあ、コツンってできんのに」

「…湊はやらなくていいよ?」

「俺がやったら咲妃乃、惚れるよ?」

「湊は目線が近いからいいの」

「おお、なるほど」



湊は明るくて裏表がなくて、一緒にいて楽。
目線が近いからなのかなと思ってる


じゃあね、と手を振って湊もオフィスへと。
よしあたしもお仕事!


いつか、天下、奪ってやるんだから



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