夏空フィッシュテール
「修のはなんか馬鹿にされてる感じがする」

修くんは「いいや?」と前を向いたままにやりと笑った。

ボーリング場について受付でシューズを借りる。コートを脱いでボールを選びに行こうとするとさっちゃんに呼び止められた。

「ねえ。みひろの来てる服、私の好きなデザイナーさんのデザインに似てるんだけどどこの?」

今日着ているのは前にみちるさんが気分転換と言って作ったもの。
完成したものを編み物教室の時に渡してくれていた。

「好きな編み物作家さんのお姉さんが作ったのをもらったの。去年知り合って、最近おうちにお邪魔させて貰ってて・・・」

「ちょっと待って。私たちのことよりみひろも話すことあるんじゃない?」

そう言ってさっちゃんは私に詰め寄る。

「とりあえずそれは昼飯の時でいいんじゃね?」

ボールを持って修くんが戻ってきた。

「みひろ、後でちゃんと説明してもらうからね!」

さっちゃんはボールを取りに向かう。私もその後を追いかける。

チームに分かれて何ゲームかボーリングを楽しんだ後、昼食を食べに移動した。


ボーリング場の近くのファミレス。休日なこともあってお店は少し混んでいた。
すぐには座れないみたいで、名前を書いて待つことに。

「やっぱ土曜のお昼は混んでるね」

< 30 / 35 >

この作品をシェア

pagetop