OLDWHITE

「あ〜!!ウタ来たぁ!遅いよ〜」

いつもより甘ったるい声で喋りながら

リコが近づいてくる。人気のない公園

で男が4.5人酒を飲みながらバカ騒ぎし

ている。(うわぁ来なきゃよかった)

そう思った。私は真面目とは言えな


いがお酒も好んで飲まないし、夜な夜

な遊んでいるわけではないからこの空

気が何となく居ずらかった。露骨に嫌

な顔をする私をお構い無しに「ウチの

親友のウタだよぉ〜みんな仲良くして

やってよ♡」リコがみんなに私を紹介

した。「えー、ウタちゃん可愛いじゃ

ん」「大人しそう」男達が好き勝手に

感想を喋っている。(お前らにどう思わ

れようがどうでもいいわ) そう思って

いた時、明らかに1人年上で髪の毛が金

に近い茶髪の男と目があった。(ヤバ

い、1番関わっちゃいけない奴だ。)そ

う思った瞬間そいつが近づいてきて、

「ウタちゃん、よろしくね」

と笑いかけてきた。それはそれは王子

様のような素敵な笑顔で少なからずは

ドキッとした訳ですが、いかにも軽そ

うな人だな〜と思った。「よろしくで

す。」と敬語で返すとリコが私の手を

引っ張って「あいつらの先輩だって!

周りのうるさい奴らよりダントツ

でかっこよくない?!」あぁ、これは

余計か変わらない方がいいと思った。

リコはあの金髪を狙っているらしい。

余計ないざこざを避けるため金髪とは

話さないでおこう。そう心に決め、リ

コと私はみんながいる所へ戻って行っ

た。

「ユイトさんは彼女居ないんですか〜??」

甘ったるい声でリコが金髪に話しかけ

る。ユイトって名前なんだ。まぁ別に

関係ないけど。そんなことを考えなが

らそこらに置いてある缶ビールを手に

した。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop