満たされる、ということは。
1♡(艦これ、天龍型、姉妹艦)
「たーつーたぁ!起きろー!!!」
その声が聞こえた瞬間、カーテンを無造作に開けられ、目が覚める。
「あらぁ、天龍ちゃん、どうしたの?」
にっこり微笑み返すと、
「あらぁ、じゃねぇよ!抜錨時間が迫ってるっつーのに起きてこねぇから、この天龍様が起こしにきたんだろ!」
ふふ、これがぷんすかというものか、と思いながら、相変わらず可愛いなぁとほっこりしていたら、頬をつねられた。
「いひゃい、いひゃいからはなひて~。」
これが、私たちのいつもの通りの日常。だが、今日は軽巡洋艦としての姉妹で初めての抜錨だ。いつも天龍は天龍、龍田は龍田で別の隊に加わってはいたが、正直心配しかない。この幸せを無くしてはいけない。のんびりした様子を見せている龍田だが、怖い、その気持ちは十分ある。自分ではなく、天龍の心配だ。だが、致し方ない。準備を済ませると、そのまま相変わらずぷんすかしている妹を宥めながら、提督の元へと急いだ。
「今日は君達のペアでの戦いだ。正直な意見を聞かせてくれ。」
と目を見て言われた瞬間、気持ちが爆発しそうになった。
「天龍ちゃんは、連れていきません。これが私の正直な意見です。」
と、つい言葉が出てしまった。
「お…、おい龍田!俺も戦えるっつーの!ふざけんな!」
バンと机に拳を打ち付ける。
「天龍ちゃん…、天龍ちゃんが抜錨して
、轟沈したら…、私どうなると思う…?」
想像が頭を駆け巡り、一筋の涙が零れた。
「な、泣くなよ!大丈夫だろ?俺もお前も、今まで重症負ったことないだろ?」
姉がいつもの調子では無いため、とても慌てふためく。
「ふむ…、この問題は君たちに任せよう。納得のいかない抜錨は危険だ。落ち着いたら、また来てくれ。」
提督の言葉に龍田は軽く頷き、目を擦りながらふらふらと部屋を出た。天龍は扉を閉める前、珍しく会釈をしてきた。
「おい龍田、どうしちまったんだよ。」
優しく背中をさすってやると、そのままぎゅうと強く抱き締められた。
「え、あ、たつた…?」
唐突に抱き締められて、嬉しいという気持ちと、姉は今まで自分の心配を幾度としてきたのか、と。
「天龍ちゃん…、お願い、行かないで。天龍ちゃんが行くなら、私が代わりにいく。」
よくよく観察してみると、目の焦点があっておらず目がふよふよと動いている。
「龍田…、ごめんな。でも、俺さ、姉妹艦でで出られるの、嬉しいだぜ?」
いつもはあまり見せない微笑み。愛情のこもった微笑み。
「え…?」
龍田はポカンと口を開け、首を傾げた。
「だーかーらー、姉妹で行けるなんて、誇らしいだろ?俺はすごく嬉しい。龍田は自分の大切な姉さんだから。」
「て、てんりゅうちゃん…!」
ぎゅうとまたきつく抱き締められて、少し苦しい。でも愛しい。
「二人で抜錨出来たら、伝えたいこと、あんだよな。」
勘づいている龍田は涙の跡のついたところをゴシゴシ擦り、微笑む。
「なぁに?天龍ちゃん。」
「秘密だ、ひーみーつ!さ、行こうぜ!早くぶちかましてぇからな!」
立ち上がりまた提督の部屋に向かう。
二人で抜錨するのも、きっといいだろう。好きだから、心配するだけではないのだと、しみじみ感じた。
--END--
その声が聞こえた瞬間、カーテンを無造作に開けられ、目が覚める。
「あらぁ、天龍ちゃん、どうしたの?」
にっこり微笑み返すと、
「あらぁ、じゃねぇよ!抜錨時間が迫ってるっつーのに起きてこねぇから、この天龍様が起こしにきたんだろ!」
ふふ、これがぷんすかというものか、と思いながら、相変わらず可愛いなぁとほっこりしていたら、頬をつねられた。
「いひゃい、いひゃいからはなひて~。」
これが、私たちのいつもの通りの日常。だが、今日は軽巡洋艦としての姉妹で初めての抜錨だ。いつも天龍は天龍、龍田は龍田で別の隊に加わってはいたが、正直心配しかない。この幸せを無くしてはいけない。のんびりした様子を見せている龍田だが、怖い、その気持ちは十分ある。自分ではなく、天龍の心配だ。だが、致し方ない。準備を済ませると、そのまま相変わらずぷんすかしている妹を宥めながら、提督の元へと急いだ。
「今日は君達のペアでの戦いだ。正直な意見を聞かせてくれ。」
と目を見て言われた瞬間、気持ちが爆発しそうになった。
「天龍ちゃんは、連れていきません。これが私の正直な意見です。」
と、つい言葉が出てしまった。
「お…、おい龍田!俺も戦えるっつーの!ふざけんな!」
バンと机に拳を打ち付ける。
「天龍ちゃん…、天龍ちゃんが抜錨して
、轟沈したら…、私どうなると思う…?」
想像が頭を駆け巡り、一筋の涙が零れた。
「な、泣くなよ!大丈夫だろ?俺もお前も、今まで重症負ったことないだろ?」
姉がいつもの調子では無いため、とても慌てふためく。
「ふむ…、この問題は君たちに任せよう。納得のいかない抜錨は危険だ。落ち着いたら、また来てくれ。」
提督の言葉に龍田は軽く頷き、目を擦りながらふらふらと部屋を出た。天龍は扉を閉める前、珍しく会釈をしてきた。
「おい龍田、どうしちまったんだよ。」
優しく背中をさすってやると、そのままぎゅうと強く抱き締められた。
「え、あ、たつた…?」
唐突に抱き締められて、嬉しいという気持ちと、姉は今まで自分の心配を幾度としてきたのか、と。
「天龍ちゃん…、お願い、行かないで。天龍ちゃんが行くなら、私が代わりにいく。」
よくよく観察してみると、目の焦点があっておらず目がふよふよと動いている。
「龍田…、ごめんな。でも、俺さ、姉妹艦でで出られるの、嬉しいだぜ?」
いつもはあまり見せない微笑み。愛情のこもった微笑み。
「え…?」
龍田はポカンと口を開け、首を傾げた。
「だーかーらー、姉妹で行けるなんて、誇らしいだろ?俺はすごく嬉しい。龍田は自分の大切な姉さんだから。」
「て、てんりゅうちゃん…!」
ぎゅうとまたきつく抱き締められて、少し苦しい。でも愛しい。
「二人で抜錨出来たら、伝えたいこと、あんだよな。」
勘づいている龍田は涙の跡のついたところをゴシゴシ擦り、微笑む。
「なぁに?天龍ちゃん。」
「秘密だ、ひーみーつ!さ、行こうぜ!早くぶちかましてぇからな!」
立ち上がりまた提督の部屋に向かう。
二人で抜錨するのも、きっといいだろう。好きだから、心配するだけではないのだと、しみじみ感じた。
--END--