なりゆき皇妃の異世界後宮物語
 どう思っているか?


 そんなことを言ったら、朱熹はどんな反応を見せるのだろうか。


 好きだと告白したら、受け入れてくれるだろうか。


 皇帝という立場ゆえに、断ることなどできないだろう。


 困るだろうか……。戸惑うだろうか……。


 せっかく打ち解けてきたのに、壁を作られてしまうかもしれない。


「陛下……?」


 小首を傾げ、覗き込むように朱熹が見つめる。


「曙光と呼んでくれたら答えよう」


 曙光は朱熹を真っ直ぐに見つめ、覚悟を決めた。


 けれど朱熹は曙光の覚悟がまったく伝わっていないようだった。


「ずるいです!」


「なぜずるい?」


「絶対に私が言えないって分かっていて言っているでしょう?」


 朱熹は曙光にからかわれていると思った。


「言えぬなら仕方ないな」


「ほら、やっぱり!」
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