なりゆき皇妃の異世界後宮物語
☬嫉妬と疑惑
朱熹は府庫で本を選びながら、大きなため息を吐いた。
題名を読んでいてもまったく頭に入ってこない。
二、三歩歩き、本に手をかけてはため息を吐き、また別なところに行ってはため息を吐き、というのを繰り返している。
それもこれも、先日のキス事件のせいだ。
好意がなければきっとキスなどしないと思うし、でもその好意がどういう類のものなのか、心の声が聴こえないからまったく分からない。
しかも、キスした後に後悔しているような顔をしていた。
それが、キスされた以上に心の中で引っ掛かっている。
(私……陛下のことばかり考えている)
この感情が恋なのか、朱熹にはよく分からない。
というよりも、認めたくないという気持ちの方が強かった。
題名を読んでいてもまったく頭に入ってこない。
二、三歩歩き、本に手をかけてはため息を吐き、また別なところに行ってはため息を吐き、というのを繰り返している。
それもこれも、先日のキス事件のせいだ。
好意がなければきっとキスなどしないと思うし、でもその好意がどういう類のものなのか、心の声が聴こえないからまったく分からない。
しかも、キスした後に後悔しているような顔をしていた。
それが、キスされた以上に心の中で引っ掛かっている。
(私……陛下のことばかり考えている)
この感情が恋なのか、朱熹にはよく分からない。
というよりも、認めたくないという気持ちの方が強かった。