なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「違います! これは演奏の仕方を教えてもらっていただけで……」


 必死で弁明するも、曙光は朱熹と目を合わせようとしなかった。


「ちょっと、陽蓮さんからも違うって説明してください!」


 自分だけでは説得力に欠けると思った朱熹は陽蓮に助けを求めた。


 しかし……。


「え? なに、僕と彼女が密通していたと思われてるの? それは面白いなあ」


「全然面白くないですよ!」


 陽蓮は曙光や秦明を見てもまったく驚くことなく、いつもの調子を崩さない。


 皇帝の妻を取ったとなれば死罪ものにも関わらず、呑気に笑っているのだから始末に負えない。


「陛下っ! 本当に違いますからね!」


 陽蓮はまったくあてにならないので、朱熹は直接曙光に強く訴えた。
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