なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「余も先代と一緒に御陵に行く予定であった。
だが、兄さんが行かないと言い張って、出立の日、皆に見つからないように二人で皇城に隠れていたんだ。
余は昔から兄さんに頭が上がらず、従順な家来のようであった。
だから兄さんの我儘に付き合うのもこれが初めてのことではなかった。
しかし、まさかあのようなことが起こるとは……。
余は兄さんに命を助けてもらったようなものだ」
「陛下が生きていたことは、天江国にとって不幸中の幸いでした」
「前皇帝である父が死に、父の弟も亡くなった。
皇位継承権を持つ者は、兄さんと余の二人だけ。
当然、兄さんが皇位を継ぐものと思っていた」
当時十八歳だった曙光が皇帝を継ぐことは天江国にとって心許ないことだった。
だが、兄さんが行かないと言い張って、出立の日、皆に見つからないように二人で皇城に隠れていたんだ。
余は昔から兄さんに頭が上がらず、従順な家来のようであった。
だから兄さんの我儘に付き合うのもこれが初めてのことではなかった。
しかし、まさかあのようなことが起こるとは……。
余は兄さんに命を助けてもらったようなものだ」
「陛下が生きていたことは、天江国にとって不幸中の幸いでした」
「前皇帝である父が死に、父の弟も亡くなった。
皇位継承権を持つ者は、兄さんと余の二人だけ。
当然、兄さんが皇位を継ぐものと思っていた」
当時十八歳だった曙光が皇帝を継ぐことは天江国にとって心許ないことだった。