なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「これまで女は心の声を聴くことができないといわれていた。

だが、本当は皇族に隠されていただけなのではないか。

女も心の声が聴こえると分かったら、その能力を皇族に継承させようと婚姻を結ばれる。

彼らはそれを危惧していたのではないか……」


 曙光がそう思ったのは、秦明が一族と交われば、皇族にも人の心が聴こえる能力が持つ者が生まれ好都合だと言った出来事からだ。


 朱熹だけが特別なのかどうなのかは、今となっては誰にも分からない。


 朱熹は、心の声を聴ける能力を持った最後の生き残りだからだ。


「そんなこと、考えもしませんでした……」


 朱熹はショックを受けていた。


 もしも曙光の考えが正しかったのなら、この結婚は一族の意思に反するもの。
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