なりゆき皇妃の異世界後宮物語
喜びを隠そうとしない秦明に、曙光は慌てて言う。
「なにが卑怯だ。勝負は勝負。それに、もしも俺がお前の命を狙う立場だったのなら、容赦なくお前の弱みを利用するよ」
「俺の弱み……」
今までどんなことがあっても、心が揺らいだことなどなかった。
こんなにも長く、思い悩むことも初めてだった。
自分には弱みなどないと思っていた。
だが……。
曙光は、真ん中からわずかに外れた矢をじっと見つめた。
「過信するな、分かったな」
秦明は真面目な顔をして、曙光を指さした。
悔しいが、負けは負けだ。
曙光は黙って頷いた。
俺は……まだまだ未熟だ。
目を背けていた事実に向き合わなければいけない。
「なにが卑怯だ。勝負は勝負。それに、もしも俺がお前の命を狙う立場だったのなら、容赦なくお前の弱みを利用するよ」
「俺の弱み……」
今までどんなことがあっても、心が揺らいだことなどなかった。
こんなにも長く、思い悩むことも初めてだった。
自分には弱みなどないと思っていた。
だが……。
曙光は、真ん中からわずかに外れた矢をじっと見つめた。
「過信するな、分かったな」
秦明は真面目な顔をして、曙光を指さした。
悔しいが、負けは負けだ。
曙光は黙って頷いた。
俺は……まだまだ未熟だ。
目を背けていた事実に向き合わなければいけない。