なりゆき皇妃の異世界後宮物語
〈嬉しくて牡丹の花弁のように舞い上がっています〉


 椿の花と文を今香に託し、一日中貰った牡丹の花を眺めていた。


 好きな気持ちは益々膨れ上がる一方だ。


 例え、亡き両親や先祖が、皇帝と朱熹が夫婦となることを望んでいなかったとしても、この気持ちを止めることはできない。


 私は、皇帝ではなく曙光様が好きなのだ。


 真面目で、思いやりのあるお優しい曙光様が好き。


 好きになった相手が、たまたま皇帝だっただけのこと。


 だから、お父さまやお母さまに反対されようとも、私の不思議な能力を曙光様の役に立てたい。


 きっと曙光様の人柄を知れば、お父さまやお母さまだって、この力を使うことに賛成してくれるはずよ。
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