なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「もちろん無事です。お怪我もありません。

ですが、天河国の内政悪化と連動するように過激になっているので、恐らく天河国からの密偵が皇城に潜んでいるものとみられます」


 朱熹は、餡餅に毒が盛られていた事件を思い出した。


(今こそ、私の出番なのではないのですか、曙光様……)


 朱熹は、曙光から何も告げられていなかったことにショックを受けた。


 自分は何のためにここにいるのか。


 密偵を見つけ出せるのは私しかいないはず。


 いくら皇后とはいっても、自由に宮廷を歩けるわけではない。


 皇帝に呼ばれたりなどしなければ行くことはできないのだ。


 それでも、出られる権限を持っていることが大きい。


他の女性たちは皇帝から呼ばれても後宮から出ることはできない。
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