なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「皇帝陛下に直接お目通りをして餡餅を献上するようにと書かれていますが……」
このこともまた、最大の名誉である。
陛下に直接お会いする機会など、一介の平民が持てるはずがない。
けれど、宮廷のしきたりや礼儀などまるで知らない年老いた二人に、皇帝陛下にお目通りするという大役を果たしてこなせるのだろうか。
二人が極度の緊張で狼狽え、失敗してしまう姿が容易に想像できた。
朱熹の不安そうな声に、主人と奥さんは顔を見合わせ、そして意味ありげに微笑んだ。
「そりゃあ、もちろん、宮廷に行って直接陛下に我が餡餅を届けるのは朱熹の役目だよ」
主人は当然のように言った。
「えっ! 私ですか!?」
このこともまた、最大の名誉である。
陛下に直接お会いする機会など、一介の平民が持てるはずがない。
けれど、宮廷のしきたりや礼儀などまるで知らない年老いた二人に、皇帝陛下にお目通りするという大役を果たしてこなせるのだろうか。
二人が極度の緊張で狼狽え、失敗してしまう姿が容易に想像できた。
朱熹の不安そうな声に、主人と奥さんは顔を見合わせ、そして意味ありげに微笑んだ。
「そりゃあ、もちろん、宮廷に行って直接陛下に我が餡餅を届けるのは朱熹の役目だよ」
主人は当然のように言った。
「えっ! 私ですか!?」