なりゆき皇妃の異世界後宮物語

　文官ではあるが、昔は武官よりも強かったという昔話まである。


　なぜ九卿なのかと不思議がる者もいるが、なるべくしてなったというのが、林冲をよく知る者の見解である。


　その林冲がなぜ……。


　林冲が捕まり、混乱する宮中を鎮めるため曙光は忙しかったが、朱熹がとても落ち込んでいるという知らせを聞いて、無理やり時間を作って会いに来た。


　いつもは夜の訪れだが、今日は夕刻の時間だった。


　曙光は朱熹の部屋に入るなり、いきなり朱熹を抱きしめた。


　驚きながらも、朱熹は曙光の背中に手をまわし、あなたを受け入れますという合図を送る。


甘い雰囲気になりながら、曙光は残念な知らせを告げた。