なりゆき皇妃の異世界後宮物語
陽蓮には確かに、皇帝という立場は窮屈さを感じるだろう。
けれど、皇帝という立場でなくても、皇族として国を支え指揮していくことは可能だったはずだ。
その力も、権限もある。なのにどうして毎日、革胡を弾いているのか……。
「僕は天才だから、凡人に任せた方が上手くいくこともある」
「え……?」
難解すぎて、凡人には理解できない説明だと思った。
「僕はあまりにも分かりすぎるんだ。五年前の大災害も、林冲が後宮に忍び込んで曙光を襲うことも見えていた」
「見えていた?」
陽蓮は頷いた。
「予知夢というのかな。はっきりとしたことは分からないよ。
犯人が林冲だということは知らなかったし、ただあそこに黒ずくめの男が逃げ込んでくるというのは知っていた。
大災害を逃れたことも偶然なんかじゃない」
けれど、皇帝という立場でなくても、皇族として国を支え指揮していくことは可能だったはずだ。
その力も、権限もある。なのにどうして毎日、革胡を弾いているのか……。
「僕は天才だから、凡人に任せた方が上手くいくこともある」
「え……?」
難解すぎて、凡人には理解できない説明だと思った。
「僕はあまりにも分かりすぎるんだ。五年前の大災害も、林冲が後宮に忍び込んで曙光を襲うことも見えていた」
「見えていた?」
陽蓮は頷いた。
「予知夢というのかな。はっきりとしたことは分からないよ。
犯人が林冲だということは知らなかったし、ただあそこに黒ずくめの男が逃げ込んでくるというのは知っていた。
大災害を逃れたことも偶然なんかじゃない」