なりゆき皇妃の異世界後宮物語
それを聞いて、曙光と朱熹は鳥肌が立った。


 驚き、言葉を失っている二人に、書孟は優しく笑みを投げかける。


「朱熹様、落ち着きましたら、私の家族に会ってください」


「え……いいんですか!?」


「もちろん、親族ですから」


 天涯孤独だと思っていたのに、急に家族が増えたような嬉しさを感じた。


「それと、私のことを心の声がダダ漏れだとよく、心の中でおっしゃっていましたが、朱熹様の方が多弁ですからね。こんなに心の声をよく呟く方も珍しい方ですよ」


「えええっ!」


 胸が熱くなり感動していたところに、書孟の言葉は衝撃だった。


 心の声が聴こえる立場だったのに、聴かれていたとは!


「勝手に人の心の声を聴かないでください!」


「聴こえるんですよ」
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