なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「それでは私も覚悟を決めます。曙光様をお支えします、どんなことがあっても」


 共に、曙光の目指す国を作りたい。


 曙光の理想は、朱熹の理想でもある。


 誰かを守るためなら強くなれる。


 国の人々を守りたい。


 そして、曙光を守りたい。


「ありがとう。朱熹がいてくれれば、何でもできる気がする」


 曙光は嬉しそうに目を細め、朱熹の頬を撫でた。


「それともう一つ、吹っ切れたことがある」


「何ですか?」


 朱熹は不思議そうに小首を傾げた。


 その姿があまりにも可愛かったものだから、曙光は無防備な朱熹の唇を奪う。


 軽く唇が触れ、すぐに離される。


「な、なな、な……」


 驚いて目をしばたたている朱熹に、曙光は悪戯な笑みを浮かべる。
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