なりゆき皇妃の異世界後宮物語
☬皇帝の恋煩い
太陽が西に沈む頃、早朝から行われていた、皇帝と三公九卿が一堂に会する月例会議が滞りなく終わった。
分厚い壁で囲まれた「鳳凰の間」と呼ばれる中広間には、大きな丸いテーブルを囲むように椅子が並べられている。
会議を終えた高官たちが出て行くのを、天長江国皇帝曙光は、椅子に腰かけたまま口を一文字に結び見つめていた。
表情を崩さずまるで睨み付けているような眼差しは、傍から見れば機嫌が悪そうに見える。
会議の内容があまりいいものではなかったのかと推察してしまうかもしれないが、そうではない。
今日の会議は悪くはなかった。
諸外国との冷戦状態は相変わらずだが、飢饉もなく会議が紛糾するようなこともなかった。
ではなぜ、彼はこのような顔をしているのか。
分厚い壁で囲まれた「鳳凰の間」と呼ばれる中広間には、大きな丸いテーブルを囲むように椅子が並べられている。
会議を終えた高官たちが出て行くのを、天長江国皇帝曙光は、椅子に腰かけたまま口を一文字に結び見つめていた。
表情を崩さずまるで睨み付けているような眼差しは、傍から見れば機嫌が悪そうに見える。
会議の内容があまりいいものではなかったのかと推察してしまうかもしれないが、そうではない。
今日の会議は悪くはなかった。
諸外国との冷戦状態は相変わらずだが、飢饉もなく会議が紛糾するようなこともなかった。
ではなぜ、彼はこのような顔をしているのか。