なりゆき皇妃の異世界後宮物語
☬二人きりの夜
今宵、皇帝のお渡りが行われると連絡を受けた後宮内は、大変な騒ぎとなった。
訪れる先は、もちろん皇后朱熹の部屋。
現皇帝曙光は、後宮に立ち入ったことさえないので、女官たちは大慌てで準備に勤しんでいた。
一方、突然のお渡りを告げられた朱熹は、女官たち以上にうろたえていた。
どういう風の吹き回しなのだろうと首を捻る。
(たしかに、色々と聞きたいことはあるけれど……)
あまりに音沙汰がなかったので、このまま飼い殺しにする算段なのかしらと思っていたほどだ。
今後の身の振り方についてどう考えているのか聞きたいことは山ほどある。
けれど、女官たちの慌てぶりや、準備の内容を見ていると、今宵の訪れの目的は、顔合わせや会話が主ではないらしい。
そもそも会ったところで、皇帝陛下と会話を交わせるのかすら怪しい。
訪れる先は、もちろん皇后朱熹の部屋。
現皇帝曙光は、後宮に立ち入ったことさえないので、女官たちは大慌てで準備に勤しんでいた。
一方、突然のお渡りを告げられた朱熹は、女官たち以上にうろたえていた。
どういう風の吹き回しなのだろうと首を捻る。
(たしかに、色々と聞きたいことはあるけれど……)
あまりに音沙汰がなかったので、このまま飼い殺しにする算段なのかしらと思っていたほどだ。
今後の身の振り方についてどう考えているのか聞きたいことは山ほどある。
けれど、女官たちの慌てぶりや、準備の内容を見ていると、今宵の訪れの目的は、顔合わせや会話が主ではないらしい。
そもそも会ったところで、皇帝陛下と会話を交わせるのかすら怪しい。