なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「そうか、今では想像もつかんな。

礼儀や教養があると評判だぞ。

さすがは紫家の令嬢だと感心されていると聞いた」


「それは母の教えのおかげでございます。

母はとにかく厳しかったです。普段は優しいのですが、礼や学問を教える時は妥協を知らぬと言いますか……。

私もそういう面があるので、意思が強く頑固なところは母に似たのでしょうね」


 曙光はとても聞き上手なので、朱熹は口が止まらず朝まで語り続けた。


 楽しそうに話す朱熹を、曙光も楽しげに聞いている。


 二人はまるで旧知の友のように飽きずに話し続け、あっという間に朝を迎えた。


 曙光は帰る間際、寝所に行き何やらゴソゴソとシーツを動かし汚していた。
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