【短】祭の夜に会いたくて


「ちょっと、待ってて!」


 急いで窓を閉めて階段を降りる。


 待って……わたし、ハルを目の前にして話せる? 
 目を見て、何を言えばいい? 


 違う。ちゃんと断ればいい。それだけ。それだけなんだから、緊張しなくていいんだってば!


 玄関を出て、小さな車庫を通ってハルの前に立つ。



「う、嘘だろ」

「嘘って何?」

「あすか、毎年降りてきてくれなくてさ。絶対ないと思ってた」

「わたしもそう思ってたけどさ。ハルがあんまり恥ずかしいこと、大声で言うから」



 本当に驚いた顔してる。
 よく見れば本当にイケメンだ。それだけでチャラい感じがする。

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