君はアイドル
「…じゃあいいよ、もう解散で。
帰ります私は。」
「俺も帰ろうかな。」
基くんも私に賛同してカバンからマスクを取り出していた。
「は?お前カラオケ行かないの?」
「いや、行かねーよ。」
「ちげーよ、基じゃなくて、おい!青。」
名前を呼ばれてギョッとする。
「…えっ、なに?
カラオケ?!」
焦る私の横で皆も少し驚いた顔をしている。
「なに、流星青ちゃん気に入っちゃったの?」
凛くんが茶化すと、流星が睨みつける。
「…カラオケじゃなくてもいいから、付き合えよ。」
真っ直ぐ見られて、思わず頷いてしまった。
あれ、どういう状況?
なんで私誘われたの?
面白がられてる?
「…流星、俺は?
2人きりで大丈夫か?
撮られんなよ。」
基くんが冷静に釘を刺す。
「分かってる。
つか、俺より凛の方が付けられたらやべーだろ!」