君はアイドル
後ろから袋を奪うと、ビクッと振り返る彼女と目が合う。
「…わ、びっくりした。
基くんお疲れ様。
あ、袋…いいの?」
「重たそうだから。」
「ありがとう〜重たかったんだよね、助かる!」
ニコッと笑うと少し見える八重歯。
気が強いのに少し幼く見える顔立ち。
あいつはこういうのが好きなんだな。
まじまじと顔を見ながらそんなことを考えていると、視線に気付いた彼女が嫌そうに見てきた。
「何?もしかしてなんか話しがあってついて来てる?」
「…いや。」
ふいっと顔を逸らす。
そのまま彼女の家まで袋を持って行くと、入って!と中へ案内された。