君はアイドル
「……おい、聞いてねぇぞ」
ー当日ー
休憩中の流星が不貞腐れて文句を垂れていた。
目線の先には私と基くんのシーン撮影。
「ベッドの上で膝枕しながら基くんが女の子見上げて微笑んで!」
膝枕…なかなか照れるな。
ベッドの上にちょこんと座っていると、基くんがスッと横に座ってきた。
「……悪いな、流星のわがままで。
嫌だったんじゃないのか、流星だけならまだしも」
小さな声で話しかけてくれた。
「いや、むしろ私より2人が…嫌じゃなかったのかなって思って……。
私たちの関係に付き合わせてほんと、すみません…」
あはは、と笑うとふわっといい香りと共に基くんが私の膝に頭を乗せた。