君はアイドル


ある日、電話がかかってきた。


<はい?>

<あ、青ちゃん?
俺俺!永尾凛!>

ん?綾子といい感じのあの彼?


<えっ…なんで私の番号知ってるの?>


<ごめん、綾子ちゃんに聞いたんだ!
…じゃなくて!
ちょっと待っててくれる?>

なんだか電話越しにガチャガチャしながら声が聞こえる。


<…よぉ、元気?>


低くて落ち着いた声。
そしてこの言い方。

<何で………>


<青、今日前会ったホテルで集合な。
部屋は501号室。>


<えっ>

そこで通話が切れる。

…は?嘘でしょ?
集合なって何?


慌てて電話をかけ直すが出ない。

大慌てで仕事終わりの化粧と髪型を直してタクシーでホテルに向かう。


501号室に入ると、テレビを見てくつろぐ奴がいた。


「ちょっと!!
あんたね、私がホテル覚えてた事と予定なかった事に感謝しなさいよ!
あんな一方的な約束あり得る?!
信じらんない!横暴アイドル!」

ギャーギャー近付きながら捲したてる私をニヤニヤしながら見てくる彼に余計にムカッとする。



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