君はアイドル
「……いらない!」
突き返す私にニヤニヤしていた顔が一瞬で無表情に変わる。
「は?」
「SS席って普通のファンの人達の席じゃないの?
関係者席とかだと思ってた!
こんな良い席、何も知らない私が座ってちゃ申し訳なさ過ぎる!」
「俺が招待してんだから別にいいだろ!
お前に前の方で俺を見て欲しいって意味だよ、分かれよ!」
「良くない!!
私毎朝流星のファンの子達がライブ行きたいって言ってるの聞いてるんだよ?
そういう子に見てほしいじゃん!
そんな事も分からないなんてアイドル失格だよ!」
言った後に言い過ぎた、と思った。
案の定、初めて見る顔で黙ってしまった。
「……ごめん、言いすぎた…」