君はアイドル
そしてライブ当時。
うちわやらタオルやらを握りしめているファンの子達に紛れて綾子と2人で会場へ向かう。
「なんかさ、可愛い子多くない?!
もっとアイドルオタクっぽいかと思ってたけど、そんな事ないね!」
綾子がキョロキョロする中で、私は緊張してしまって何も喋れなかった。
流星のうちわを持ち、嬉しそうに一緒に写真を撮る彼女達に罪悪感を感じる。
関係者席に着くと、綾子が誰々だ!などと大はしゃぎ。
芸能人も私達を見ずにクールに座っていた。
凄いなぁ、この会場みんなが3人のファンなのか。
本当に凄い。
ボーッとしていると照明が落ち、歓声が響き渡る。
アカペラで聞き覚えのある歌が流れ、スポットライトが彼らに当たると、会場が揺れるほどの歓声が。