君はアイドル
ブスッとした顔のまま綾子の隣に座り、前の男を見ると、深く帽子を被った…
あれ?
さっきぶつかったマスクとサングラス野郎じゃない?
ご飯食べる時も帽子被ってんの?
思わず凝視していると、その男は更に顔を隠すように下を向いた。
シャイなのかな?
変な人。
残りの2人もナルシスト全開で、女の子と遊びたいんだろうなぁ、という印象しか持たなかった私は構わずお酒を飲みまくる。
「すっげ飲むね!」
男よりも飲む私に少し引いている彼ら。
酔っ払ってきた私は前の席の男に絡み出した。
「ねぇ、なーんでずっと帽子被ってんの?
はげてるの?見せてよ。」
勢い良く彼の帽子に手を伸ばして帽子を取り上げた。
それに隣の男達が、あっ!と叫ぶ。
現れたのは恐ろしく整った顔の男。
みるみる顔が睨み顔に変わっていく。
「ご、ごめん。
なんで怒んの、そんなイケメンなのにさ。」
帽子を返すと、驚いた顔をする彼と、男達。