君はアイドル
「……2人は付き合ってるの?」
素朴な疑問を投げかけると、ハハッと笑い声が聞こえた。
<ほんとに青ちゃんって自由だよね。
正確には付き合ってないかな。
だけど特別な関係。
俺アイドルだからさ。>
ほう、と納得してお礼を言い電話を切った。
特別な関係か。
あたし達もそうなのかなぁ。
その日仕事場でも流星の怪我の話しがあちこちから聞こえてきた。
やっぱり国民的アイドルグループのメンバーなんだなぁ、と少し秘密を握っているようでドキドキした。
食堂でのテレビでもワイドショーで彼のことを取り上げられていて、ドラマや音楽番組に無理矢理出ていた事を知った。
定時に仕事を終わらせ足早に凛くんからアドバイスもらった様に、男っぽい格好をしてバレないように流星の家に入る。