君はアイドル


「あ、ありがとう。
じゃあお言葉に甘えて。」


電話を切り、帰るね。といそいそと玄関に向かう私に彼は、もう?と驚いた顔をする。


「だって、手の具合を見に来るってのが達成したのと、凛くんがタクシーで帰りなって言ってくれたから…」


不満そうにする彼に、また会えるでしょ?連絡して。と言うと、嬉しそうにはにかんだ。


ちょっと、可愛い顔するじゃない……


「帰したくない……っていうか、せめて送って行きたいのにそれが出来ねーのが、あー!ってなるよな。」


「まぁ、そうだけど…。
それが良いんじゃん?
私には新鮮だけどな。」


「そこはポジティブなのかよ。」


ハハ、と笑い合うと、自然とキスをして私は家を出た。


< 66 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop