君はアイドル
「あ、ありがとう。
じゃあお言葉に甘えて。」
電話を切り、帰るね。といそいそと玄関に向かう私に彼は、もう?と驚いた顔をする。
「だって、手の具合を見に来るってのが達成したのと、凛くんがタクシーで帰りなって言ってくれたから…」
不満そうにする彼に、また会えるでしょ?連絡して。と言うと、嬉しそうにはにかんだ。
ちょっと、可愛い顔するじゃない……
「帰したくない……っていうか、せめて送って行きたいのにそれが出来ねーのが、あー!ってなるよな。」
「まぁ、そうだけど…。
それが良いんじゃん?
私には新鮮だけどな。」
「そこはポジティブなのかよ。」
ハハ、と笑い合うと、自然とキスをして私は家を出た。