君はアイドル


「…あっ…ごめん。
もちろん1人の男として見てるけど、どうしても………」


「もういいよ。
……そんな風に考える青も好きだし。
でもやっぱそんなのどうでもいいって言って欲しい。」


ごめん、と言いかけ口を閉じた。


黙っている私に、ゆっくり近づいてきてギュッと抱きしめた。


「……俺焦ってるな。
ごめん、困らせて。
でも本気で一緒に住んだら好きにさせる自信あるし、今まで通りの生活を約束する。」


そこまで言ってくれるなんて、普通に撮られるどうこうなくても、そんな人現れないんじゃない?


自分に問う。


アイドルじゃなく、普通に出会っていてこうして好きって言われて同棲を提案されたら勢いに任せてするんだろうか?
私はアイドルと同棲してファンの悲しむ顔を見るのが怖いだけなんじゃないか?




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