ジェニー達の集う場は、永遠の探偵喫茶

「では、本題に入ろう。リングオールは金曜日、仕事の話で、ある男とバーで会う予定が入っている。それが午後7時だ。予定上、午後9時には自宅に戻ってくる。リングオールは無駄が嫌いで、時間を守る男だから、ジャストに家に着くだろう。そこで、だ。疲れ切って家に帰ってくるリングオールを、暗殺してほしい」
　躊躇せず、淡々と話していく彼女を見て、感じることがあった。
「レイチェル」
　私は、彼女の名を呼ぶ。
「なんだ」
　彼女は、乾き切った言葉を私に返した。
　そんなことは気にせず、続ける。
「私の任務は、リングオールを殺すこと」
「...？」
　カウンター越しに向かい合っていたが、私は歩いて、レイチェルの隣の椅子に辿り着き、腰掛ける。
　そのことに疑問符を浮かべたのか、既に互いに了承している、己が任務を話し始めた私自身に疑問符を浮かべたのか、どちらか等知らないが、レイチェルは不思議そうな瞳で私を見つめる。
　そして＿＿
　--ジャキ
「......な...？」
　私がしたことと言えば、彼女にリボルバーを突きつけること。