ジェニー達の集う場は、永遠の探偵喫茶
「私の義務は、これからのあなたを正すこと」
 彼女の瞳を真っ直ぐに捉え、引き金に指をかける。
「...っ」
 圧倒。
 そう言うに相応しいか、彼女は私にそうされていた。
「...ねえ、レイチェル。あなたは本当にいいの?」
 硬直していたレイチェルが、ねえ、のところで、ビクリと肩を揺らした。
 構わず、続ける。
「確かに、あなたの父は極悪非道。人間ではないと断言できるほど。...でも、私は知っているの。リングスネークは、影であなたを支えていた。ああ、何故知ってるかって?彼はね、こうなることを分かっていたの。あなたが____」
 と、言いかける。最後まで言わなかったのは、彼女が遮ったから。
「うるさい」
 低く、重い声で、そう言い放った。
 いつの間にか、彼女の顔には警戒が戻っていた。
 そして、今度は、私が彼女に圧倒されていた。
「貴様なんぞに、何がわかる。暗い部屋に留められ、罵られる毎日に、私はやり場のない屈辱と劣等感を抱いていた。そうなるまで私を追い詰めたあいつを、今更許せだって?無理に決まっていると貴様もわかるのではないか。私は引き返せないところまで来てしまったんだ」
 レイチェルは、銃口を手で押さえていた。
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