「もう少しだけ愛させて」
『別に…。抵抗するだけ無駄だと思ったから。』





『………』











和樹は黙ったまま、アタシを抱き締める。







『ゆりあ……………ゆりあ……………』










何度もアタシ名前を呼ぶ和樹。










その声は、小さな小さな子供が、泣きながら何かを求めてるような……、悲しげに響いた。













この時アタシは気付いてしまったの。





















あなたの胸の中が、一番に、居心地がいいこと。














そして













愛してること。
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