「もう少しだけ愛させて」
その後、何時間たったのだろうか?


外は、どっぷり暗くなり、満月が夜道を照らす。












『俺、帰るね』










『うん……。』










ガチャ








ドアを空けて、和樹は進む。










この時の和樹の顔は、最初とは正反対に、とても優しい顔になっていた。










こちらを一度みて、
『バイバイ。』







そして
『もう二度と、近寄らないから』














和樹がいた玄関には、あめも降ってないのに……一滴の雫。









それは染み込み、いつしか無くなってしまう。


















『これが………………最後なんだね……………。』













『うっうっうぇ………ゲホッ………………うわぁぁん…あぁぁぁん』







今度は声をだして泣ける。








隣には誰もいない。
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