彼女は、肝心な言葉が足りない。
後でシバいとけば、繰り返すことはないだろうし。
うん。その線でいこう。
特に深いことも考えずに見慣れない廊下を歩いていく。
今のところ、外見ほど物騒な感じはない。
ただ、教室からは下品な笑い声が聞こえてきて、無性に耳をもぎ取りたくなるのは仕方のないことなんだろうな。
「……まあ、不良校だもんね」
今日から一日の半分以上を共にする人たちだし、いちいち気にしていたらストレスで禿げそうだから早いうち慣れた方が私のためだ。
多分、この不良校は、常識というものが備わっていないのだろう。
学校に落書きする人なんて、前の学校にはいなかった。
お絵かきとかそんなレベルじゃないものが、この学校には沢山転がっていそうだ。
「やっていけるかな……」
初日からパシりにされたら高校生活どん底なんですけど。
何年前のドラマかと突っ込みたいところだけど、さっき言ったようにこの学校の生徒は不良だ。
常識が分からない人たちがいるはずなのね。多分。
偏見は良くないですけど!!