夜。〜キャバ嬢の恋〜
東京にでた女は、まあ当然、風俗では働かず、求人誌に乗っていた、ぱっとしないキャバクラで働き始めた。
だが、上京したての小娘がすぐに売れるほど、キャバクラは甘くはない。
多少の金はくれて、衣食住はそろっていても、オレが自由に遊ぶためには多少稼ぐ必要があった。
女の買ってきた求人誌を見てみる。やはり夜の仕事のほうが、給料が高い。
・・・東京に来たからには、歌舞伎町でホストか・・・
ホストの求人をじっと眺めていると、女が横から求人誌を覗き込む。
『はじめ、ホストとかやるくらいならぁ、あたしのお店で一緒にはたらこぅ~』
東京に大した知り合いのないオレは、仕方なくその言葉通り、女の店でこき使われることになった。
女はオレがホストになって、ほかの女に色かけるのが嫌だったんだろうけど、キャバクラのボーイも似たようなもんだった。