この恋は少しずつしか進まない
Chapter 2 波乱の同居生活
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次の日。カーテンの隙間から射し込む太陽の光で目が覚めた。
寝起きはいいほうでいつもスマホのアラームに頼らずに起きられるんだけど、今日はまだ眠い。
この感覚は久しぶりだ。二度寝をしたくて仕方ないっていう睡魔に負けそうな朝。
ああ、なんで今日が平日なんだろう。
このままお昼過ぎまで寝ていたいのに。そんなことを考えながら、再びウトウトとまぶたを閉じかけたところで……。
「おはようございます」
視界に加島の顔が映り込んで、慌てて飛び起きた。
「もう起きないとヤバいですよ」
加島はすでに制服に着替えていて、ベッドの横に敷かれていた布団も綺麗に畳まれていた。
……そうだ。昨日、加島が泊まったんだっけ。
寝ぼけていたせいで一瞬だけ忘れかけていたけど、加島の顔を見たら眠気が一気に吹っ飛んだ。
時計を確認すると7時45分だった。たしかにそろそろ支度を始めないと遅刻してしまう。