この恋は少しずつしか進まない
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「まずはルールを発表します」
お互いに冷えた身体をお風呂で温めたあと、私は加島をテーブルの前に座らせた。
「ルール?」
加島は首を傾げながら私が指定した場所に座る。
私がチラシの裏側に書いた我が家の6ヶ条。
① 無闇に服を脱がないこと。(着替えは私の目が届かない場所でやる)
② トイレは座ってすること。(用を足し終わったらトイレのフタは必ず閉める)
③ シャワーは出しっぱなしにしないこと。(お風呂から出る時は必ず蛇口が奧までしっかり閉まってるか確認する)
④ 私の名前が書いてあるものは勝手に食べないこと。(お菓子や冷蔵庫の飲み物など)
⑤ 基本的に料理は加島が作ること。(正し贅沢はしない。あくまで節約重視で)
⑥ 掃除は当番制(月水金が私。火木土日は加島)
「以上!文句は一切受け付けません」
私はそう言って紙を加島に渡した。
「文句はないですけど、これ実質10ヶ条じゃないですか?」
「口答えは罰金」
「えー厳しい」
なんと思われようと、こういうのは最初が肝心なわけで。あとから口うるさく言うよりルールを始めから作ったほうがお互いのためだ。