亘さんは世渡り上手
自分で言うのもあれだけど、俺は性格が良くない。
合わないと思ったやつはすぐ嫌いになってしまう。特に、亘さんみたいな俺の考えとかけ離れているような人物は。
でも、それを表に出さないようにするのが上手く生きるコツだよな。
「おはよ、亘さん」
亘さんの前の席に座って、亘さんの机に頬杖を付く。
机に向かって何かを書いていた亘さんは、不思議そうに俺を見た。
「……おはよう、ございます」
「何書いてるの?」
「ええと……先日のリベンジをしようと思って、予定を立てていました」
え、また遊びに行く気なの。
図太いなぁ。俺大人数嫌いって言ったでしょ。
メモにも書いたんじゃなかったっけ?
「次は和泉くんも楽しくなるように、あまり人は誘いませんから」
そういうことでも、ないんだよなぁ。
「なんなら、わたしと二人で行きませんか?」
「え、それは……まだ、早いんじゃない?」
え、何、急に大胆じゃん。