亘さんは世渡り上手
「高橋くん、帰ってから復習しておいてくださいね」
「ええっ!? 委員長まで!?」
しまいには亘さんにまでからかわれる始末。
どんまい、高橋。
――今日は不思議な感覚だった。
ただのうるさいやつらだと思っていたこの四人と、初めて一緒にいても悪くないと感じていた。
ただ勉強をした。それだけなんだけど。
記号だと思っていたものが、実は日本語だった、みたいな。
平面だと思っていたものが立体だったみたいな?
うーん、うまく例えられないけど、感じ方が変わったってこと、かな。
なんでそうなったのかは、ひとつだけ今までとは確実に違う点があるけど……。
まだ、信じたくない。
亘さんのおかげ、なんて。